2017年7月31日月曜日

アヌスヴァーラとMの音の違い


シクシャー・スートラに、नासिका अनुस्वारस्य とあるように、
अनुस्वार の स्थान は नासिका であることから、
スートラ मुखनासिकावचनोऽनुनासिकः の定義によって、
अनुस्वार は、अनुनासिक に分類されます。

म् の音の स्थान は、नासिका と ओष्ठौ の両方が含まれているのに対して、
अनुस्वार の स्थान は、नासिका のみです。
 
 

気になった言葉を調べてみました。

サンスクリット語学習者におなじみの、
SHABDA MANJARI by R.S. Vadhyar & Sons
そこで紹介されていた、あまり見かけない言葉、「तस्थिवस् 」。
言葉の生成がどうなってるのか気になったので調べてみました。 


Page 57 Paradigm 89 सकारान्तः नपुंसकलिङ्गः तस्थिवस् शब्दः (That which has stood)
तस्थिवत्            तस्थुवी               तस्थिवांसि

    This paradigm is not introduced in LSK. Thus it drew my attention. I could tell it was ष्ठा-धातु in लिट् with क्वसुँ-आदेश, but for the declension in 1/2, which involves भ, I needed to consult सिद्धान्तकौमुदी for हलन्तपुंलिङ्ग सेदिवस्-शब्द.


こちらにずらりと書いた計算式のようなものは、
約2500年前に作られたパーニニ・スートラという
サンスクリット語を基にしたメタ言語(人工言語)で、
サンスクリット語の文法体系を表しています。
現代のプログラム言語の元祖と言われているように、
サンスクリット語の言葉を生成する仕組みを指示や定義の形で表しています。
Derivation of the प्रातिपदिक तस्थिवस्
स्था + लिट्                     3.2.115 परोक्षे लिट् । ~ भूते धातोः प्रत्ययः परश्च
स्था + क्वसुँ                     3.2.107 क्वसुश्च । ~ लिटः
स्था + इट् वस्                 7.2.35 आर्धधातुकस्येड् वलादेः ।
स्था स्था + इवस्              6.1.8 लिटि धातोरनभ्यासस्य । ~ प्रथमस्य एकाचः द्वे
स्थ स्था + इवस्               7.4.59 ह्रस्वः । ~ अभ्यासस्य
थ स्था + इवस्                 7.4.60 शर्पूर्वाः खयः । ~ अभ्यासस्य
त स्था + इवस्                 8.2.54 अभ्यासे चर्च । ~ झलाम्
त स्थ् + इवस्                  6.4.68 आतो लोप इटि च । ~ अचु क्ङिति आर्धधातुके
तस्थिवस्

Declension of प्रातिपदिक तस्थिवस् in neuter
तस्थिवस् + सुँ 1/1             4.1.2 स्वौजस्....। ~ ङ्याप्प्रातिपदिकात् प्रत्ययः परश्च
तस्थिवस्                        7.1.23 स्वमोर्नपुंसकात् । ~ लुक्
तस्थिवद्                        8.2.72 वसुस्रंसुध्वंस्वनडुहां दः ।
तस्थिवत्                         8.4.56 वावसाने । ~ चर् झलाम्

तस्थिवस् + औ 1/2           4.1.2 स्वौजस्....। ~ ङ्याप्प्रातिपदिकात् प्रत्ययः परश्च
तस्थिवस् + शी                7.1.19 नपुंसकाच्च । ~ औङः शी
भसंज्ञा for तस्थिवस्         1.4.18 यचि भम् । ~ स्वादिषु असर्वनामस्थाने
तस्थि उ अ स् + ई            6.4.131 वसोः संप्रसारणम् ।
तस्थि उ स् + ई                6.1.108 संप्रसारणाच्च । ~ पूर्वरूपम् अचि संहितायाम्
त स्थ् उ स् + ई                इट्-आगम should not have come when संप्रसारण is to happen.
    (SK) अन्तरङ्गेऽपि इडातमः संप्रसारणविषये न प्रवर्तते, (प. 57) अकृतव्यूहाः पाणिनीयाः। इति परिभाषया
त स्थ् उ ष् + ई                8.3.59 आदेशप्रत्यययोः। ~ सः मूर्धन्यः
तस्थुषी

तस्थिवस् + जस् 1/1          4.1.2 स्वौजस्....। ~ ङ्याप्प्रातिपदिकात् प्रत्ययः परश्च
तस्थिवस् + शि                7.1.20 जस्शसोः शिः । नपुंसकात्
सर्वनामस्थानसंज्ञा for शि  1.1.42 शि सर्वनामस्थानम् ।
तस्थिव नुम् स् + इ            7.1.72 नपुंसकस्य झलचः । ~ सर्वनामस्थाने नुम्
तस्थिवा न् स् + इ             6.4.10 सान्त महतः संयोगस्य । ~ न उपधायाः दीर्घः
तस्थिवांस् + इ                 8.3.24 नश्चापदान्तस्य झलि । ~ मः अनुस्वारः
तस्थिवांसि                      8.3.59 आदेशप्रत्यययोः। ~ सः मूर्धन्यः

2017年7月20日木曜日

パラスマイパダ(परस्मैपदम्)とアートマネーパダ(आत्मनेपदम्)の日本語訳と、その違いは?

パラスマイパダ(परस्मैपदम्)とアートマネーパダ(आत्मनेपदम्)は、
18ある動詞の活用語尾(接尾語)を2種類に分ける為の、
単なる名前として、それぞれ、PとA、でふたつ覚えてください。

受動態で使われるのはAのみですが、
能動態では、PもAも、両方使われます。


PとAそれぞれの接尾語に、意味の違いはありません。
どちらとも、人称と数、そしてलट् 等のलकार から引き継いだ情報(時制と態)を持っています。
上記に示した場合に使い分けられるだけで、

それぞれが違う意味を持っているのではありません。

直訳すると、परस्मै(他の為)、आत्मने(自分の為)となりますが、
これは、धातु のタイプがUの場合、
行為の結果が他に向けられている場合はP、
自己にのみ向けられている場合はAを使う、
というところから来ています。


しかし、常にその通りではないので、PとAという、名前で覚えておけばよいです。


パーニニで使われる用語は、実際のものとはあまり関係ない名前がよくあるので、
どの名前が関係しているのか、していないのか、ということも知っておく必要があります。


こちらにも、いろいろ書いています。
http://sanskrit-vocabulary.blogspot.in/2017/07/blog-post_19.html

2017年7月13日木曜日

धातुकोशः の最終ページで、分かり易いものの例:

例えば、
धातु に付いているअनुनासिकの母音が、アヌダーッタ(下線のついている母音)の場合、
そのधातुは、能動態の時にはआत्मनेपदをとります。
ダートゥの説明についている、Aというやつですね。

धातु に付いているअनुनासिकの母音が、スヴァリタ(上に縦棒のついている母音)の場合、
そのधातुは、能動態の時にはआत्मनेपद、परस्मैपदの両方をとります。
ダートゥの説明についている、Uというやつですね。

それ以外の場合は、そう、ダートゥはPとなります。

ダートゥにどうして、アヌナーシカの母音が付いているの?

धातुकोशः でのअनुनासिक

धातु の前後に、अनुनासिकの母音を付加することにより、
そのधातुが、どのように扱われるかを表すことが出来ます。
つまり、धातुにくっついているअनुनासिकの母音は、
धातुの取説のような働きをしています。

取説の取説!は、धातुकोशः の最終ページにまとめてあります。

アヌナーシカと、アヌスヴァーラの違い

अनुनासिक と अनुस्वार の違い

これはよくある質問です。


サンスクリットを長年勉強していても、疑問のままとなっている人は、
インド人でさえも非常に多く、疑問とさえ気づいていない人も多いので、
見直してみてください。



अनुनासिक は鼻音、鼻に掛かった音。ある音の形容詞ですね。

अनुस्वार は、それ自体がひとつの音です。ṃと表記される、半拍分の長さの音です。



अँ = 鼻に掛かったअの音。ひとつの音。1拍。

अं = 鼻に掛かってない अ というひとつの音の次に、अनुस्वार (ṃ)という別の音が来ている、ふたつの音の表記。1拍+0.5拍。

アヌナーシカ(अनुनासिक)の定義:


1.1.8 मुकनासिकावचनोऽनुनासिकः।
口と共に、鼻によって発音される音が、अनुनासिक です。

つまり、अनुनासिक とは鼻音のこと。
ञ् म् ङ् ण् न्, अँ आँ इँ etc. です。