スートラ सूत्रम् [sūtram] とは、
ある知識を総括して伝える為の、短くまとめられた文章を指します。
サンスクリット語で「スートラ」 सूत्रम् [sūtram] とは、「糸」という意味の言葉です。
スートラ形式で伝えられた文献も、糸のように、複雑に絡み合って、一本をつまむと、他のスートラが沢山ついてくるのです。
サンスクリット語で伝えられている文献には、いろいろなスタイルがあります。
ある文献が、スートラ सूत्रम् [sūtram]と呼ばれるためには、以下の基準を満たしていなくてはなりません。
अल्पाक्षरमसंदिग्धं सारवद्विश्वतोमुखम् ।
अस्तोभमनवद्यं च सूत्रं सूत्रविदो विदुः ॥
alpākṣaramasaṃdigdhaṃ sāravadviśvatomukham |
astobhamanavadyaṃ ca sūtraṃ sūtravido viduḥ ||
ある文献が、スートラ सूत्रम् [sūtram]と呼ばれるたの、6つの条件
1.最短であること。अल्पाक्षरम् [alpākṣaram]
一昔前までは、全ては口伝で教え継がれていました。辞書でも教科書でも、全部暗記していたのです。
ゆえに、短いと言う事はとても重要な事なのです。
2.疑いの余地がないこと。असंदिग्धम् [asaṃdigdham]
この意味かな?どの意味かな?こうも取れるね。ああも取れるね。ではいけないのです。
スートラからは、はっきりした意味が取れなくてはなりません。
3.意義があること。 सारवत् [sāravat]
スートラの意味は、何かに変化を起こすなり、何かに名前を付けるなり、何かしら意義が無くてはなりません。4.多方面で応用出来ること。 विश्वतोमुखम् [viśvatomukham]
スートラの意味は、普遍的な意味を持ち、マルチな場面で応用されなくてはなりません。5.感嘆詞などは要らない。 अस्तोभम् [astobham]
6.間違いが無い。 अनवद्यम् [anavadyam]
スートラによって伝えられている内容は正しいはずで、後で理屈で覆されるような内容であってはなりません。「~・スートラ」と名づけられた文献がインドには幾つかありますが、それら全てが上記の6つの条件を満たしているとは限りません。
ここで勉強している「パーニニ・スートラ」やヴェーダーンタ文献の「ブランマ・スートラ」は、これら6つの条件を満たしている、正真正銘の「スートラ文献」です。
>> 次は、スートラの種類を見てみましょう。>>
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