2014年8月31日日曜日

6種類あるスートラの種類 

先に説明したスートラと呼ばれる形式の文献には、

6種類あると言われています。

それを述べたシュローカ(詩句)が以下です。

संज्ञा च परिभाषा च विधिर्नियम एव च  ।
अतिदेशोऽधिकारश्च षड्‍विधं सूत्रलक्षणम् ॥

saṃjñā ca paribhāṣā ca vidhirniyama eva ca  |
atideśo:'dhikāraśca ṣaḍ‍vidhaṃ sūtralakṣaṇam ||

スートラの種類は6種類


1.サンニャー(संज्ञा [saṃjñā])・スートラ


他のスートラで使われる特殊な用語の定義をするスートラ。

2.パリバーシャー(परिभाषा [paribhāṣā])・スートラ


他のスートラの解釈において、特殊な解釈が必要な時、それを提供するスートラ。

3.ヴィディ(विधिः [vidhiḥ])・スートラ


言葉に変化を起こすルールが言い表されているスートラ。

4.ニヤマ(नियमः [niyamaḥ])・スートラ


他のスートラの有効範囲を限定する為のスートラ。

5.アティデーシャ(अतिदेशः [atideśaḥ])・スートラ


他のスートラの有効範囲を拡張するためのスートラ。

6.アディカーラ(अधिकारः [adhikāraḥ])・スートラ


後ろに続く複数のスートラの主題を表すスートラ。

        ***

これで6種類です。

4000あるパーニニ・スートラも、6種類に分類出来ます。

あと、もう1種類付け足すとしたら、

7.ニシェーダ(निषेधः [niṣedhaḥ])・スートラ


他のスートラで言われた決まりについて、例外的に適用範囲外にある事項を述べたスートラ。


Q: 
4のニヤマと、7のニシェーダの違いは?

A: 
ニヤマは、「適用範囲はこれだけです。」という言い表し方で、

適用範囲外の項目は暗に理解される。

ニシェーダはその逆で、「これには適用されません」という言い表し方で、

適用範囲外の項目をそのまま述べている。

という違いです。


次回からは、それぞれのスートラの種類を例を挙げながら見て行きましょう。



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